②インド神話とヨガ哲学で読み解く サソリのポーズの物語

② インド神話とヨガ哲学で読み解く サソリのポーズの物語

恐れを超え、「私の本質」を生きる決意をかたちに。

Vṛścikāsana(サソリのポーズ)
写真:Vṛścikāsana(サソリのポーズ)

挑戦的なサソリのポーズ(Vṛścikāsana)。逆さの世界で背骨をしならせる形は、恐れと向き合いながら芯のやさしさを守るしなやかな強さを思い出させます。

インド神話|聖者とサソリの教え

川に流されそうなサソリを助けようとする聖者。手を差し出すたび、サソリは本能のままに刺します。痛みに耐えながらも聖者は諦めず、ついにサソリを救い上げました。
弟子が問います。「なぜ刺されても助けるのですか?」
聖者は静かに言いました。
「刺すのはサソリの本質。助けるのは私の本質。それを変える理由はない。」
刺される痛みの中でも「私はどうありたいか」に立ち返る。
それが、しなやかな強さ。

ヨガ哲学|本質(スヴァダルマ)を守る

バクティ・ヨガは揺るぎない信愛を育み、八支則のイーシュワラ・プラニダーナ(神への献身)は、言葉・行為・思いを大いなる存在に委ねる姿勢を示します。
サソリの物語は、他者に揺さぶられても自分の本質(スヴァダルマ)を歪めない生き方を教えてくれます。

Vṛścikāsana(サソリのポーズ)が教えてくれること

  • 恐れを超える集中:逆さの世界で、呼吸と感覚を一つに。
  • 軸を育てる勇気:刺されても、やさしさと誠実さを手放さない。
  • しなやかな強さ:形だけでなく、心の可動域を広げる。

サソリのポーズをとるたびに、私は問います。「私は、本当はどうありたい?」その答えを胸に、やさしさという強さを選び続けるために。


9月23日 ヨガ哲学ワークショップ

ヨーガはポーズだけで終わらない——魂の生き方としてやさしく深く学ぶ時間。どなたでもご参加いただけます。