①インド神話とヨガ哲学で読み解く 戦士のポーズの物語

①インド神話とヨガ哲学で読み解く 戦士のポーズの物語

力強さの中に、祈りと物語を込めて

戦士のポーズ|安定と集中

ヨガのクラスでよく登場する戦士のポーズ(ヴィーラバドラーサナ)
力強さと安定感を象徴するこのポーズには、実はインド神話の物語が隠されています。

インド神話:サティとシヴァ、そして戦士の誕生

シヴァ神の最愛の妻、サティ。父の反対を押し切って結ばれたふたりでしたが、父王は最後までその結婚を認めませんでした。ある日、父王の祭りに出向いたサティは、夫シヴァ神への侮辱に心を引き裂かれ、深い悲しみと絶望のあまり、炎の中へ身を投じます。

最愛の妻を失ったシヴァ神は、悲しみと悔しさと切なさを抱え、髪を引き抜いて大地に叩きつけました。そこから生まれたのが、ヴィーラバドラ
主のためだけに従順に、そして豪傑に戦う、ひとりの戦士。

ひとつのポーズに、ひとつの物語と祈り。
自分のための強さではなく、誰かのために立ち上がる強さ。

ヨガ哲学:バクティとイーシュワラ・プラニダーナ

ヨガの教えには、神さまへの信愛をささげるバクティ・ヨガという道があります。ヨガ八支則でもイーシュワラ・プラニダーナ(神への献身)と呼ばれ、最終的に自分の言葉も、行動も、思いも、すべてを預けるという姿勢を示します。

戦士のポーズはただの体の形ではなく、物語と祈りを体現する姿勢。その力強さは、インド神話の深いルーツから、今を生きる私たちへとつながっています。

戦士のポーズをとるたびに、私は祈ります。ヴィーラバドラがシヴァ神のためだけに生き、戦ったように、私たちもまた大いなる力に身を委ねながら、誰かの幸せと平和のために生きていけますように🌿


9月|ヨガ哲学ワークショップ(H&B)

ヨーガはポーズだけで終わらない——魂の生き方としての学びを、やさしく深く。どなたでもご参加いただけます。